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知っておきたいファッション用語「アール・デコ」

ファッションの世界にも広がりを見せた「アール・デコ」についてご紹介します。

「アール・デコ」は、ヨーロッパやアメリカ・ニューヨークを中心に、1910年代から30年代に掛けて発展した建築様式です。1925年に開催されたパリ万国装飾美術博覧会で紹介され、古代エジプトやアステカ、中国や日本など古今東西の装飾をミックスした装飾とされています。有名な建築物としては、1930年頃に建てられたエンパイアステートビル・ロックフェラーセンター・クライスラービルなどが上げられ、日本には昭和初期の一時期のみ流行しました。

建築様式として知られたアール・デコですが、宝飾・ガラス・陶芸・ポスター・絵画といった美術界やファッション界にも影響を及ぼします。以前の女性服はコルセットを使いウエストラインの曲線を魅せるデザインが主流でしたが、アール・デコが取り入れられると、コルセットを使わない直線的なシルエットのドレスが作られるようになってきました。これは日本着物の裁断方法やキュビスムの影響が大きく反映されており、中世貴族の様なフリルやレースといった装飾がほぼ無くなり、機能的でありながらシンプルなデザインが好まれ、線で作られる幾何学模様、動物、植物のモチーフが使われました。この時に、コルセットを使わないデザインを使い始めたのが脱コルセットを提唱したファッションデザイナー「ポールポワレ」、モード・オスカー賞を受賞し未だに高い人気を誇るシャネルの創始者「ココ・シャネル」の2人です。

1920年代に入るとダンスが流行し、ドレスに光を受ける金・銀・ラメなどのビーズやスパンコールといった刺繍装飾が付くなど独自の進化を遂げました。一時は流行の終わりで姿を消したアール・デコは、1960年代から再び脚光を浴び、今現在は「アール・デコ調」の形で数多くのデザイナーが注目し新たなデザインを発表しています。現在ではTシャツやスカートや髪留めといったあらゆるファッションにアール・デコ様式が採用され身近なものになっています。

知っておきたいファッション用語「フォーマル」

「フォーマル」はフォーマルウェアの略で、カジュアルの対義語として使われ「公式、形式、正式、儀礼」などキッチリとした催しなどで身につける衣服、格式のある礼服の総称がフォーマルと言っても良いでしょう。

冠婚葬祭など公的な場所で着る服となり「モースト・フォーマル・ウェア(正礼装)」「セミ・フォーマル(準礼装)」「インフォーマル・ウェア(略礼装)」の3つに分かれています。日本では以前和装が普通でしたが、明治の時代に洋装を取り入れたことがきっかけとなり広く普及しました。前述した通りフォーマルには様々な種類があり、男性のフォーマルは以下が一例です。

「モーニング・コート」……公式行事などに着られるスーツで、上着が黒にたいして縦じまグレーのスラックスをあわせます。内閣などの集合写真撮影で着られるものです。

「ブラック・スーツ」……日本で一般的に着られる大衆礼服と呼ばれるフォーマルウェアで、冠婚葬祭に活躍します。

「ダーク・スーツ」……濃紺やグレーのベーシックなスーツ。日本ではビジネスシーンなどで着用されますが、冠婚葬祭にも使えます。

「燕尾服」……背中の裾が二股に割れた、別名テイルコート。オーケストラの指揮者をイメージするとわかりやすいでしょう。

「タキシード」……披露宴やパーティーで着られるコート。夜の正礼装(モースト・フォーマル・ウェア)として何処でも着られます。

対して、女性のフォーマルウェアは以下の通り。

「イブニングドレス」……ロング丈のドレスとなり披露宴などでよく着られる夜の正装。

「カクテルドレス」……袖ありのロングドレスや、ロングスカート。披露宴や二次会で着られる夜の略装。

「アフタヌーンドレス」……光沢の無い生地を使った袖付きワンピース、またはスーツを着用する昼の正装。昼の場合はスカートをロング丈にしない程度。

基本昼は生地が光らない素材のもの、夜は生地が光る光沢のあるものを選ぶのがポイントです。和服は格によって上下が明確ですが、洋装の場合に格はあまり関係ないようです。女性はネックレスやイヤリングなどを身につけることで雰囲気が変わります。紹介したのは一部ですが、自分の立場やシーンによって装いが変わるのがフォーマルの特徴です。

知っておきたいファッション用語「ゴシック」

日本でも人気が高い「ゴシックファッション」。今回は「ゴシック」についてご紹介して行きます。

「ゴシック」は、もともと中世ヨーロッパの建築様式を指す言葉でしたが、ブラム・ストーカーやフランケンシュタインなどお城や教会をテーマにしたホラーテイストの小説や映画から言葉が取られたファッションです。主に中世にいた貴族の格好や、クラシックなドレスやスーツ、タイ、十字架といったシルバーアクセサリーを身につける吸血鬼や悪魔を連想させた「生気を感じさせない」感じのコーディネートとなっています。基本色は黒と白ですが、近年では金髪や原色系の派手な色で肌の露出が多いボンテージなども分類されます。

ゴシックファッションは少数の人に好まれイギリス・ドイツ・フランスのヨーロッパや、アメリカにも愛好家が存在します。日本のゴシックファッションとは傾向が異なりゴシック・メタルに影響をうけた人がするファッションで、モヒカンやピアスやタトゥといった肌の露出が多いものをゴシックファッションと位置づけています。もちろん前述のファッション愛好家もいます。変わって日本のゴシックファッションは肌を露出させず、出ているのは顔や手のみというのが普通。貴族の様なドレスやスカート、コルセット、ほかにもフリルやレースを多用してハットを被るといったドレッシーな中世の時代を感じさせるコーディネートが主流です。

海外のゴシックファッションとは違い、アンティークで優雅なイメージも持ち合わせたのが日本のゴシックファッションと言えます。1990年代のビジュアル系ロックバンドがこの要素を取り入れた事でブームが広がりました。ただし、現在日本で一般的に知られているゴシックファッションといえば、ロリータのファッション要素を取り入れた「ゴシック・アンド・ロリータ」通称「ゴスロリ」の方で、使われるテーマも蜘蛛や薔薇や蝶などを強調、少女が好む要素を多分にいれたロマンティックさが広く好まれる要因になっています。

またマンガ、ゲーム、アニメなどのサブカルチャーにも取り入れられ登場したことがきっかけとなり、多くの人にゴスロリというファッションが周知され人気になりました。

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