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知っておきたいファッション用語「プレタポルテ」

ファッションに携わっていると必ず耳にする用語が「プレタポルテ」という言葉。

「プレタポルテ」はフランス語の造語となり「高級既製服(既製服)」を指す言葉として使われ、オートクチュール(高級注文服・一点もの)と対を成す言葉としても使われます。

「プレ=用意が出来ている」「ポルテ=着る」それぞれに意味があり、そのまま繋げて読むことで「そのまま着て帰れる」といった意味にもなります。

プレタポルテが出現したことにより、それまで全盛であった顧客から以来を受けて手作業で服を制作して渡す「オートクチュール」に変わり、決められたサイズを元にメーカーに委託して大量に生産、小売で販売するのが「プレタポルテ」になります。

大量生産や既製服と聞くと粗悪といったイメージが付きますが、プレタポルテ登場によって売上が激減したオートクチュールを手がけているブランドが、プレタポルテを手がけるようになったため質は悪くなく、高級なことに変わりは有りません(オートクチュールよりは下がるものの値段も高級)。

プレタポルテが台頭してきた理由としては、富裕層がビジネスパーソンにシフトしてきたことが挙げられます。要するに時代が変わってきたため、実用的な服が好まれるようになり、オートクチュールの顧客が減少してきたのです。それによって経営難になるブランドも増え、オートクチュールを作る傍らプレタポルテも手がけるブランドが増えたとされています。

現在ではオートクチュールとプレタポルテの比率は逆転し、プレタポルテに力を入れるブランドがほとんどです。プレタポルテを最初に発表したのがピエール・カルダン、その後にイヴ・サンローラン、クレージュなどが続き、70年代のプレタポルテを牽引したのは日本のデザイナー高田賢三氏(ケンゾー創設者)。

オートクチュールのコレクションはパリだけで行われますが、プレタポルテのコレクションは世界各国で行われ「パリ」「ニューヨーク」「ロンドン」「ミラノ」などのコレクションは日本のファッション系雑誌やサイトでも状況をよく紹介されています。

デストロイ・コレクションなどで有名「メゾン マルタン マルジェラ」

「メゾン マルタン マルジェラ(Maison Martin Margiela)」は、マルタン・マルジェラによって設立されたフランスのファッションブランドです。

取り扱う商品は、レディースウェアをはじめ、メンズウェア・シューズ・アクセサリー・フレグランスなどなど。幅広く手がけています。

1957年にベルギーで生まれたマルタン・マルジェラは、王立芸術アカデミー(アントワープ)に入学、同期には前衛ファッション集団のアントワープシックスもいました。

アントワープを卒業後の5年間をフリーランスのデザイナーとして働きましたが、1984年にジャンポール・ゴルチエのショーに影響を受け、1985年~87年までの間、ゴルチエの元で修行を積みます。

1989年にフランスで自分のブランドとなる「メゾン マルタン マルジェラ」を設立し、翌年1989年の春夏プレタポルテ・コレクションで初デビューを飾ります。

彼のデザインは今までの流行とは異なり、細身のジャケットやボトムなどボディラインがわかるシルエットで服を制作。衣服の脱構築や解体、ショーのスタイルの手法は全てを覆し、ファッション業界に大きな影響を与えました。違った視点からの服作りを得意としており、服の生地に古着を使ったり、服をわざと古着風に加工をしたりといったスタイルも提案。グランジファッションの先駆けとも言われます。

マルタンマルジェラのデザインした服のラベルは、空白、または○で囲まれた数字のみが書かれ、ブランド名やデザイナーであるマルタン・マルジェラの名前はかかれることがありません。全て数字で管理されています。

また、彼はメディアに露出しないことでも有名。自分の思いなどはすべて作品や服に詰め込み、メディアとの接触は全てファックスで取り扱われ、ショーでもプロモデルはほとんど使わず一般から起用しています。

1997年から2003年にはエルメスの女性ラインのクリエイティブディレクターも務めています。

2002年にレンツォ・ロッソのグループ企業からの出資を受けて世界中に店舗を展開、しかし2009年10月にレンツォ・ロッソよりマルタンマルジェラはメゾンのデザインに関わっておらず、デザインチームが引き続きデザインを行っている」と発表。

2009年12月にDrapersから「Martin Margiela exits Margiela(マルタン・マルジェラはマルジェラを終了)」、ビジネスを残しているもののクリエイティブディレクターには任命されない、と報道されました。

ファッション以外にウォッカ・ワインブランドも展開する「ロベルト・カヴァリ」

ファッションデザインを行い、バッグやアクセサリーの展開も行うブランドは多いですが、今回ご紹介する「ロベルト・カヴァリ」は、同じ名前でウォッカやワインのブランドも展開する幅広いブランドです。

「ロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)」は、1940年にイタリアのフィレンツェで生まれたファッションデザイナーです。

アーティストに明のある家に生まれ、小さい頃から数々の芸術に触れながら育っていきました。フィレンツェにある芸術学校でプリント技術を専攻するとともにアートとファッションに興味を持ち技術を磨きます。

60年代に入り、シルク製品に装飾部分や縫い目を除いた全体にプリントを施す技術を生み出し、その技術が同ブランドのトレードマークとされる「スタンパカヴァリ」に繋がりました。

そして1970年、自身の名を冠したブランド「ロベルト・カヴァリ」を設立。同年にコレクションデビューを果たし、翌翌年にはフランス・サントロペに初のブティックをオープン。

ブランド設立後には革プリント技術で特許を取得し、エルメスやピエールカルダンといった有名ブランドから依頼を受けるなど、ヨーロッパにまでロベルト・カヴァリの名は知れ渡りました。

1990年代に入るころには豪華でセクシーなデザインは洗練され、流行にも左右されず根強い人気を誇るブランドとしてトップを走り続け、2007年にはスウェーデンに拠点を置く「H&M」とイタリア人初となるコラボを発表。

ロベルト・カヴァリのダイナミックでセクシーなデザインにはシャロン・ストーンといった熱狂的なファンも多く、特にベッカムの妻ヴィクトリア・ベッカムは同ブランドのコレクションによく訪れる事でも知られています。

人気は衰える事を知らず、2013年現在では世界50ヶ国に店舗を構え、メインブランドとなる「ロベルト・カヴァリ」に加え「クラス・ロベルト・カヴァリ」「ロベルト・カヴァリ・ジュニア」といったラインを展開し、グローバルブランドとして成長し続けています。

ワイン・ウォッカは日本では販売されていないようですが、専用ウェブサイトが用意されているのでそちらをご覧ください。

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