スプレーしてできあげる布

もしも肌に直接スプレーを吹き付けるだけで洋服が出来上がると聞いたら驚きますか？そんな魔法のような布が巷で話題になっています。英国で芸術を学んだというスペイン人アーティスト、マヌエル・トレスさんが考案したスプレーで噴射するファブリックがアパレル界はもちろん、様々な業界から注目を集めているのです。

このスプレーして布ができる缶とは、綿やポリエステルなど衣類の布の原料となる物質を粉塵としてガスに混ぜて真空の缶に入れた物です。この缶に入っているスプレー吹き付けるだけで粉塵になっていた素材が蘇って、様々なデザインやカラー、線などを自由時自在に表現できるようになります。このスプレーに入ったファブリックは、全く新しい素材として大注目の的となっているのです。

発案者のトレスさんは、この素材を考案した時にファッションの勉強をしているところでした。そして、パターン化したファッションに飽きていたところでもありました。そんな中で偶然に発見されたのがこの素材です。実は実験段階では缶の中に粉塵化させた原料と香料、それにガスを混入して噴射していました。もともとは、スプレーしてできるファブリックではなく、パヒュームを衣服の素材に効果的に加える方法を考えていたのですが、結果として持続的な香りが漂う布がスプレーで作り出されたんですね。

今までになかったような新しいデザインのファッションが、このスプレーによって実現できることでしょう。全く当たらしい発想のファブリックですから、早々にこれに興味をもつデザイナーも多いことだと思います。また、素晴らしいのはこの新素材はファッションだけでなく、医療業界からも役立つと注目されていることです。なぜなら肌に吹き付けるだけで怪我の際の包帯がわりとして使用できるかもしれないからです。

今後、この缶に入った新素材がファッション界や他の業界にどのような影響を及ぼすのか楽しみです。全く新しい素材の新しいデザインの服が私たちの目の前に登場するのもそう遠くはないようですね。

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