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大手アパレルメーカーの日本製ブランド戦略

近年、日本製ブランドを売りにしている百貨店ブランドの衣料品においても“メイド・イン・チャイナ”が猛威を振るうようになっています。
以前にくらべ、中国で生産してもコストと一定の品質が確保できるようになってきたことが主な要因です。
そんな中、国内の大手アパレルメーカーが再び“メイド・イン・ジャパン”(つまり日本製ブランド)を見直し、強化する戦略に打って出ました。
ここでは「レナウン」と「ワールド」の戦略についてご紹介します。

・レナウンの戦略
レナウンが日本製ブランドにこだわる理由として、低価格志向の次の一手として従来の高い生産技術を生かした戦略商品を育てるためであり、同時に、日本製衣料品の評価が高まる中国市場での販売を照準としていることが挙げられます。

レナウンは自社のブランド「ダーバン」で、日本人初のキャラクターを採用し「日本を着る」という春夏用スーツの販売促進イベントを実施したところ、既製服・オーダー服ともに注文が殺到し、生産現場は活況を呈し現場の士気が大いに高まったという実績を持っているため、今年の春夏物からスーツの仕様を前面刷新することに踏み切ったと考えられています。

具体的には、8万円以上のスーツには芯地に「総毛芯」を取り入れ、さらに日本人の体形に合わせて肩の角度を調整するなど、見た目の美しさに加えて軽さ、柔らかさなど機能性にも磨きをかけました。
加工に手間は掛かりますが、立体感を生む高級スーツの世界標準を再構築しようとしたのです。

・ワールドの戦略
ワールドは、重衣料品中心のレナウンに比べて軽衣料品の比率が高いため、駅ビルやショッピングセンターなどを主力販路としていますが、多くの国内直営工場を抱えています。

近年において同社は自社工場だけでなく、技術力のある各地の独立系工場を相次いでグループ化している点が特徴であり、軽衣料品で必要な染色加工やテキスタイル(生地)に強い工場に資本参加してきました。
ワールドの国内生産比率は昨年の春夏物で4割弱、秋冬物で3割強と低めですが、百貨店向けブランド「モディファイ」では8割強、専門店向けの「コルディア」で7割など、衣料品の低価格競争下でも、日本製ブランドで勝負できる新感覚ブランドとして存在感を放っています。

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